4/15/2011

大前さんのメールより

掲載の関係で全て載せてるけど、【1】今週の〜大前研一ニュースの視点〜『風評被害と自粛モード〜「説明下手」な政府がもたらした二次災害』のとこだけ読んで欲しい。
ちゃんと読んで、根も葉もない風評に流されずに、正しい選択をしていこうね。

━ 世の中どうなってんの…?大前さん!! ━━━━━━━━━━━━━━
大前研一 『 ニュースの視点 』
2011/4/15  #358
発行部数172,853部(自社配信+まぐまぐ)
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おはようございます。
ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 問題解決力トレーニングプログラム担当の板倉です。
「今週のニュースの視点」は、農畜産物への放射線の影響や原発関連における政府の情報公開の問題点、それに伴う国内外への影響などについて大前研一が解説します。




INDEX
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【1】今週の〜大前研一ニュースの視点〜『風評被害と自粛モード〜「説明下手」な政府がもたらした二次災害』


【2】問題解決力トレーニングプログラムより
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【3】アタッカーズ・ビジネススクールより
『無料の「ビジネススキル診断」実施中!たったの5分で、あなたの強み・弱みを診断します』


【4】クリックアンケートのお願い


【5】あとがきに代えて
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〜大前研一ニュースの視点〜

【1】『風評被害と自粛モード〜「説明下手」な政府がもたらした二次災害』
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放射線物質拡散予測を公開 気象庁HP
農畜産物被害 農産物出荷規制を見直し
食品輸入規制 日本食品の全面禁輸を一時検討 インド政府
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▼放射線の危険性について、過剰反応しないこと
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福島第1原子力発電所事故で、気象庁は5日、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づいて同庁が作成した放射性物質の拡散予測をホームページ上に公表しました。

気象庁の拡散予測は、「1ベクレルの放射性ヨウ素131が標高20-500メートルの高度で72時間放出された」という条件に基づき、気象情報などを加味して割り出されたものとのことです。

放射性物質の拡散状況を見ると、浪江町や飯舘村は非常に危険なレベルにあると言わざるを得ないと思います。

今回の拡散状況で特徴的なのは、放射性物質が一様に円形に広がっておらず、まるでブーメランのような形で広がっている点にあります。

これは放射線の大きな特徴で、風の影響を強く受けた結果です。放射性物質が放出された際、強い風がどちらから吹いていたのか、それが拡散する範囲を決定します。

福島第1原発から直近の地域では、約1000ミリシーベルトの放射線量が蓄積していくという、非常に危険なレベルです。

その1つ外側の地域では約500ミリシーベルトの放射線量と測定されています。
このレベルでも、大騒ぎするほどではありませんが、念のために避難勧告を出すべきだと思います。
先日私は福島第1原発から半径30km圏内の住人に対しては、一週間くらい帰宅しても平気なので、そのように伝えてあげるべきだと述べましたが、放射線量が減る見通しも立たない今の状況を見ていると、少々厳しくなってきたと感じます。
ただし大げさに捉えるのではなく、放射線量の危険性について客観的な事実を把握しておくことも大切だと思います。

先に避難勧告を出すべきだと言った500ミリシーベルトの放射線量とは、1年間外で放射線を浴び続けたとして、それを原因として発がんする確率が たとえて言えば、「1万人に1人」から「1万人に2人」になるというレベルです。
おそらく毎日2箱〜3箱喫煙する場合の方が、よほど肺がんになる確率は高いでしょう。

このような事実を私たちが認識しているという前提で「どうしても帰宅したい人は、自分でリスクを知った上で自主的に行動してください」という米国型の方法もありかもしれません。


枝野官房長官は4日、県単位で実施してきた農産物の出荷制限を改める方針を明らかにしました。市町村や各県の地域ごとに設定、解除できるようにするとのことです。

また、政府は8日、水田の土壌で、放射性セシウムの検出値が1キロ・グラム当たり5000ベクレルを超えると、コメの作付けを制限する方針を明らかにしました。

県単位から市町村単位への変更に基本的に賛成ですが、農産物の出荷制限は「県単位ではなくできればロット単位で」というのが私の以前からの提言です。もう一歩踏み込んで欲しいところです。

その上で「水洗い」する効果をもっときちんと伝えるべきです。「このくらいの数値なら、水洗いでここまで落ちる」という基準を示してくれれば、国民としても「安心して食べられる」心境になるでしょう。

この後の展開として予想されるのは、放射線が地中の農作物に影響を与え始めるということです。

まずほうれん草などの葉っぱに付着したものが問題となったわけですが、今後は「たまねぎ・じゃがいも・ごぼう」などへ連鎖していきます。

この流れは自明です。ゆえに仮に「じゃがいもから放射性物質を検出」というニュースが流れても、一喜一憂せずに冷静に対処することが大切です。

実際問題としては、地中にある茎が放射線に汚染された場合、葉っぱ類とは違い、水洗いしても効果はありません。その時の対処は改めて考える
必要がありますが、過剰に反応するのは避けたいところです。

また稲の作付けを制限する方針とのことですが、この適用範囲を福島県全体とするなら、これは過剰反応だと私は思います。

国内が混乱しているだけでなく、海外でも放射性物質の流出について誤解され、日本製品に対する警戒が広がっています。

インド政府は5日、福島第1原発事故に伴う放射性物質の影響を考慮し、日本からの食品輸入を3カ月間、全面的に禁止するとのことでしたが、
8日にはまだ決定を下していないと発表しました。

一方で欧州連合(EU)加盟27か国は8日、日本からの輸入食品の放射性物質検査で、EUよりも厳しい日本の暫定規制値を採用し、検査を強化することを決めています。

これら諸外国の一見厳しく思える対応については、日本政府に責任があると私は感じます。日本政府がもっと明確に指標を示していれば、このような事態はさけられたでしょう。

「この地域までの農作物の出荷を禁止する」「外国に輸出されているものは、こういうルートで出荷しているものだから安全だ」というような情報公開です。

日本政府からの抗議を受けて、インドは一度決定した食品輸入の全面禁止を「検討中」という段階に戻しました。これはインドにしても、情報が不足しているために「絶対的な自信」がないのだと思います。
やはり日本の情報公開に問題があるということです。

また「情報の伝え方」も誤解や過剰反応を生む原因になっています。
今回の震災を「東日本」大震災と伝えていますが、このように伝えられれば外国からすると「日本の半分はダメなのか」となってしまいます。

阪神淡路大震災では敢えて「淡路」を付け加え、激甚災害の大きさを強調するという手法を採用しました。

今回もそれに倣ったのでしょうが、国内政治的に良くても、外交としては失敗です。米国で言えば「東日本=東海岸(EAST COAST)」というレベルですから、誤解を招くのも当然です。

日本政府の「伝え方」に問題があるために、外国人を不必要に不安な気持ちにさせています。

現時点で言えば東京の放射線量は全く問題ないレベルですが、それでも外国人はきれいサッパリ東京から居なくなりました。

お陰で外国人向けのホテルは閑古鳥が鳴き、日本行きの飛行機もガラガラといった状況です。

被害範囲をきちんと限定して説明し、危険な地域・安全な地域を明確にしないとこの状況はずっと続いてしまうでしょう。

さらには自粛ムードが手伝って、日本に訪れた外国人からすれば「イベントもほとんどが中止になって日本全体が暗くなっている、やっぱりひどい状況だ」という印象を持ってしまうのは当然です。

地震によって大ダメージを受けた今、経済もコケたら目も当てられません。政府は情報を正しく公開すること、そして誤解を与えないように伝える方法について、もう1度考えてもらいたいと思います。

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この大前研一のメッセージは4月10日にBBT757chで放映された  
大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに再構成しております。
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▼ 今週の大前の視点はいかがでしたでしょうか。
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原発事故後、福島付近にお住まいの方はもとより、関東以西そして世界各国が現状と今後について大きな不安を抱えています。


なぜここまで不安心理が拡大しているのか。


不安に思うものが、「放射能」という目に見えない、得体のしれないものだからということはあるでしょう。


しかしそれをさらに悪い方向に増殖させているのは、間違いなく情報の伝え方と質があまりに粗悪であることです。


この問題について本当に知りたいことが伝わっている、と感じている方がいったいどれほどいるでしょうか。


テレビはほぼ24時間放映されていますが、おそらく24時間見続けていても不安を取り除いてくれる情報は伝わってこないでしょう。


聞き手がその判断の為に本当に知りたいと思っていることを伝える。


このような「相手の事を考え、それに応える形のコミュニケーション」は日常でもビジネスでも常に必要とされています。




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今回の震災とその後の原発事故や対応について大前が解説した動画。
You Tubeでの再生回数は累計170万超となっています。


ここまで再生される理由はなにか?


その理由のひとつは、解説のわかりやすさ、そしてもう一つは
こちらが知りたいと思う事を話してくれることにあります。


大前の解説は一般のTVでされているような小難しい知識を
ただひけらかすような、単純な知識のシェアではなく、
知識に加えて論理的思考、つまり筋道だった考えがあるため、
見ている側がすんなりと受け入れやすいからです。


また視聴者が何を知りたいと思っているかを常に考えているため、
まさに当を得た解説となるのです。


このようなスキル。もし自分が持っていたらどうでしょうか。


自分の意見を理解してくれない上司や、部下。
顧客や社内への提案など、
相手に理解してもらいたいと考える行動の成功確率が飛躍的に
あがります。


このスキルは問題解決力の一部。
当プログラムでは問題解決を学ぶための3つのコースを
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最初のコースである「問題解決必須スキルコース」は、
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基礎スキルパッケージには
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・副教材「SOLO講座」
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が含まれ、問題解決に必要な基礎的な考え方を学ぶことができます。


このパッケージのお薦めポイントは何と言っても期間と価格。


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今回の記事『風評被害と自粛モード
〜「説明下手」な政府がもたらした二次災害』
はいかがでしたか?
下記の項目のうち、もっとも当てはまるもののURLをクリックしてください。


a.大変参考になった
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▽前回のクリックアンケート結果発表▽


前号の記事『電力使用制限
〜節電ではなくピーク抑制で経済への打撃を最小限に』


アンケート結果は、下記の通りでした。


大変参考になった ……………… 67.78%
参考になった …………………… 23.29%
やや参考になった ……………… 5.04%
あまり参考にならなかった …… 3.89%


ご協力ありがとうございました。
この結果は、今後のメルマガ作成の参考にしてまいります。




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┃5┃ あとがき:好きな風景
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私の好きな風景の一つが「川」。
眺めていても飽きることはありません。


今も東京荒川沿いに住んでいますが、これまでを振り返っても、
長野県の犀川、天竜川、大阪淀川、横浜矢上川など川の近くに
住む事が多く、とても偶然とは思えません。


川を見ていて飽きない理由は、「同じようで違うこと」。


普段は、川というものはいつもそこの流れていて
全く変わらないもののように考えてしまいますが、
静かに、じっくりと眺めてみると、
そこに流れている水や川面が1秒前とはまるで違うことに気付きます。




川の表現として「悠久の流れ」などと言いますが、川は、
同じように見えて実は変化し続けており、そのことが永遠と
言われるような長〜い時間の流れを作っていることを、
身近に感じさせてくれます。


隅田川や荒川など、川沿いには桜の名所が多いそうです。
桜の儚さと同時に、川の流れの、時として弱々しいながらも
続いていく様を楽しんでみても良いのではないでしょうか。




(編集部へいち) 
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次号:2011年4月22日 配信予定
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